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「十九の春」の歌詞の意味と由来|与論島から沖縄へ渡った歌

こんにちは。
栗山新也沖縄三線教室の栗山です(*^^*)
「十九の春」は、沖縄の歌のなかでもとくに親しまれてきた一曲です。映画『ナビィの恋』(1999年)で知ったという方もいらっしゃるでしょう。私が三線を始めて初めて沖縄を訪れたのも、ちょうどこの映画が話題になっていたころでした。
この歌の元をたどると、明治時代の流行歌に行き着きます。その歌が与論島の人々の手で育てられ、海を渡って沖縄へたどり着きました。今回は、歌詞に何が書いてあるのかと、この歌がたどった道のりをご紹介します。
この記事でわかること
- 「十九の春」の歌詞に書かれていること
- 元歌の「与論小唄」と「ラッパ節」のこと
- 沖縄で広まってヒットするまでの流れ
「十九の春」の歌詞に書かれていること
この歌は、女性と男性がかわるがわる歌う掛け合いで進みます。歌詞には本や歌い手によってさまざまな形があります。ここでは、参考にした本に載っている6つの歌詞の内容をご紹介します。
- 女:あなたに惚れたのは十九の春だった、離縁だというのなら元の十九に戻してください
- 男:庭の枯れ木に花が咲いたなら、十九に戻すのもたやすいことだ
- 女:見捨てるつもりなら、年の若いうちに早く知らせてください
- 男:安い葉書でさえ遠いところまで届くのに、同じコザ市に住んでいながら逢えないのがせつない
- 女:呼びかけても、あの人には立派なお相手がいる、一生忘れられない片思いだ
- 女と男:奥山のウグイスが梅の小枝で昼寝をして、春の夢を見て鳴いていた
別れをめぐる男女の思いを歌った歌です。歌詞に出てくるコザは、いまの沖縄市です。全文は歌詞サイトでご覧ください。
元になったのは明治の流行歌「ラッパ節」
「十九の春」をさかのぼると、明治の終わりごろに全国で流行した「ラッパ節」にたどり着きます。演歌師の添田唖蝉坊が日露戦争のころに流行させた歌だと伝えられています。さらにその元をたどると明治の軍歌「抜刀隊」につながるという話もあり、歌の流れの長さに驚かされます。
与論島の人々を支えた歌
この歌が南の島へ渡った背景には、与論島の人々の苦しい時代があります。
明治32年(1899年)8月、与論島は台風で全戸が倒壊するという大きな被害を受けました。病気の流行と旱魃も続いたため、人々は村長にあたる戸長を先頭に、九州へ集団で移住します。行き先は長崎の口之津で、三池炭鉱の石炭を大きな船へ積み込む仕事でした。
慣れない土地での苦しい暮らしのなかで人々を慰めたのが、三線にのせて歌うラッパ節でした。
その後、三池港が整備されて仕事の形が変わり、多くの人が島へ帰ります。帰ってきた人たちが歌うことで、島でも毎晩のように歌われるようになりました。歌ううちに歌の形も変わっていき、「与論ラッパ節」「与論小唄」として根づいていきます。
沖縄で広まり、「十九の春」になるまで
歌は、出稼ぎの人たちや兵士として九州へ渡った人たちなど、さまざまな人の行き来のなかで沖縄へ入ってきました。遊郭や盛り場では「ジュリ小小唄」と呼ばれ、戦後のコザの歓楽街では「吉原小唄」という名でも歌われたといいます。
この歌に詞を補って編曲したのが、与那国出身の歌い手、本竹裕助さんです。津波洋子さんとのデュエットで1972年にヒットし、1975年には田端義夫さんのカバーで本土にも広く知られました。コザの民謡クラブや民謡ショーでも盛んに歌われた歌です。
戦後の沖縄で生まれた歌の流れは、別の記事でご紹介しています。
教室でも人気の曲です
「十九の春」は、教室でも人気の曲です。生徒さんからは、映画『ナビィの恋』を見てこの曲に興味を持ったという声や、懐かしさを感じるという声をいただいています。
歌詞の意味や歌の歩みを知ってから弾くと、同じ曲でも歌うときの気持ちが変わってきます。「十九の春」のように昔から親しまれてきた曲を、自分の三線と歌で演奏できるようになると、沖縄の音楽がもっと楽しくなりますよ。
よくある質問
- 「十九の春」の作者は誰ですか?
-
元歌は与論島で歌い継がれてきた歌です。現在の形は、本竹裕助さんが詞を補って編曲したものです。
- 「十九の春」の元歌は何ですか?
-
与論島の「与論小唄」「与論ラッパ節」です。その元は明治の流行歌「ラッパ節」です。
- 歌詞に出てくるコザ市はどこですか?
-
いまの沖縄県沖縄市です。
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