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沖縄民謡「汗水節」とは?歌詞の意味と背景を詳しく解説

沖縄民謡「汗水節」とは?歌詞の意味と背景を詳しく解説
はじめに
こんにちは!
三線教室の栗山です(*^^*)
沖縄の民謡には、島の人々の心や知恵が詰まっています。
なかでも「汗水節(あしみじぶし)」は、働くことの喜びと大切さを歌った労働歌として、今もなお多くの人々に愛され続けています。
私の三線教室でも生徒さんから大変人気で、「いい曲ですね」というお声をたくさん頂いています。
この曲が生まれたのは1928年、沖縄県が勤労貯蓄奨励キャンペーンの一環として詞を募集したときのことでした。
当時の具志頭郵便局長だった仲本稔の詞が選ばれ、そこに宮良長包が曲をつけて誕生しました。
今回は、この「汗水節(あしみじぶし)」の歌詞の意味と背景を詳しく解説していきます。

沖縄民謡とは?
沖縄民謡は、沖縄の人々の暮らしの中で伝承されてきた歌のことです。
古くから伝わる歌と、近代以降に作られた新民謡(新作民謡)があります。
古くから伝わる歌は作者不詳のものが多く、口承で伝えられてきたのに対し、新民謡は作詞者、作曲者が明確に記録されています。
「汗水節」は新民謡に分類され、1928年(昭和3年)に仲本稔氏の作詞、宮良長包氏の作曲により誕生しました。
「汗水節」はどこで歌われている?
現在では、沖縄民謡教室で次の世代へと伝えられています。
また、民謡ライブやコンサートでは定番曲として演奏され、多くの人々に親しまれています。
さらに、沖縄の伝統的な民俗芸能・エイサーでも、「汗水節」はよく使われる伴奏曲の一つです。
祭りやイベントでは、この曲に合わせて踊るエイサー団体の姿を見ることができます。
それでは1~3番の歌詞を解説していきましょう。
歌詞と解説(1~3番)
1番
汗水ゆ流ち 働ちゅる人ぬ 心嬉しさや 他所ぬ知ゆみ
あしみじゆながち
はたらちゅるふぃとぅぬ
くくるうりしさや
ゆすぬしゆみ
【解説】 汗水を流して一生懸命働く人の心の喜びを、他の人は本当に理解できないだろう、という意味です。「ゆす」(よそ、他人)や「しゆみ」(知るか?という疑問だが、「知るまい」という反語)といった表現から、真に働くことの喜びを知るのは、実際に全身全霊で取り組んだ人だけである、という意味が込められています。
2番
一日に一厘 百日に五貫 貯めてぃ損なゆみ 昔言葉
いちにちにぐんじゅ
ひゃくにちにぐくゎん
たみてぃすくなゆみ
んかしくとぅば
【解説】 1日に「ぐんじゅー」(50文)貯めれば、百日には「ぐくゎん」(5貫=10銭)になるという計算を示しています。日々の小さな努力が積み重なって大きな成果になるという知恵を伝えています。「昔言葉」として伝えられてきた先人の教えであり、「守てぃ損ねるな」(守って損ねるな)という言葉には、この教えを大切にすべきという強いメッセージが込められています。
3番
朝夕働らちょてぃ 積み立てぃる銭や 若松ぬ盛い 年とぅ共に
あさゆうはたらちょてぃ
ちみたてぃるじんや
わかまちぬさかい
とぅしとぅとぅむに
【解説】 朝夕休むことなく働いて積み立てるお金は、若松が年と共に成長し盛んになるように、同じように増えていくという意味です。「わかまちぬむてい」(若松の栄え)という比喩を用いて、着実な積み重ねが繁栄をもたらす、という教えを歌い混んでいます。
海外移民を支えた「汗水節」
ここまで「汗水節」の歌詞とその意味を解説してきました。
この歌は沖縄本島だけでなく、海外へ渡った沖縄の移民たちにとっても大きな心の支えとなったといわれています。
明治以降、多くの沖縄の人々がハワイや北米、南米などへ移住しました。
彼らは言葉も通じない異国の地で過酷な労働や疫病などの困難に直面しながらも、互いに助け合って生活基盤を築いていきました。
その子供たちである2世や3世の世代になると、中には自分で会社を興したり、現地で名士として認められる人も現れるようになりました。
こうした成功の背景には、家族や仲間との絆、故郷への思い、そして心の支えとしての沖縄の伝統文化があったと考えられます。
「汗水節」に込められた「働くことの喜び」や「コツコツと積み重ねる大切さ」というメッセージは、異国の地で懸命に生きる移民たちの心を支え、彼らの生活姿勢や仕事への取り組み方に大きな影響を与えたことでしょう。
現代における「汗水節」
今日、「汗水節」は沖縄民謡として大切に受け継がれています。
沖縄民謡の教室で伝承されているほか、民謡ライブでは定番曲として演奏され、多くの人々に親しまれています。

さらに、沖縄の民俗芸能・エイサーでもよく使われる伴奏曲の一つです。
祭りやイベントでは、この曲に合わせて踊るエイサー団体の姿を見ることができます。
明るいメロディと力強いリズムは、エイサーの躍動感ある動きにぴったりと合い、観客を楽しませています。
まとめ
沖縄民謡「汗水節」は、約100年前に生まれた新民謡でありながら、今も多くの人に愛され続けています。
その歌詞には、働く喜び、積み重ねの大切さ、継続の力などの教えが込められています。
祭りやライブで演奏され、そして今も多くの人々の心を打つ「汗水節」。
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