こんにちは♪
先日の稽古でのことです。
生徒さんの三線の音が単調になっていたので、三線を弾くときにどんなことに気を付ければいいかアドバイスしました。
そこで具体的にお伝えしたのは、私が三線を弾くとき、それぞれの弦、それぞれの勘所で、弾き方や弾奏するときの強さを微妙に変えているということでした。
これは師匠に稽古をつけてもらうなかで少しずつ学んでいったことですが、
文献をひもとくと、このような工夫は昔から演奏者たちの間で行われていたようです。
「なあ、つぃるづぃる・なあ、たましだまし」とは?
琉球芸能家・金武良章が著した「御冠船夜話」(若夏社、1983年)という本があります。
やわらかい首里ことばで琉球芸能の逸話が豊富に紹介されている名著で、何度も読んだ大好きな本です。
良章の父・金武良仁は琉球古典音楽安冨祖流の大家として知られています。
この本の中で良仁が三線を弾き込む中で大切にしていたことを次のような言葉で紹介しています。
「なあ、つぃるづぃる・なあ、たましだまし」
良章は、別の言葉で言い表してしまうと味気が無いと前置きしながら、それぞれの意味を次のように説明しています。
なあ、つぃるづぃる→各々の弦
なあ、たましだまし→各々の領分、持ち分
…つまり、
それぞれの音(勘所や弦)が本来持っている性格(厳しさ、やさしさ、強さ、弱さ、音色の相違など)を理解し、
その音が持つ性格に常に配慮して演奏するように
との意味が込められています。
勘所や弦の性格を知る
実際それぞれの勘所や弦の音をうまく引き出してあげるには時間がかかります…
私自身は難曲をこなすなかで、弾奏の仕方をその都度師匠に教えていただいて感覚をつかんできました。
師匠の演奏を見てまねていくうちに、「各々の勘所や弦はこうやって弾けばいいんだな」「これがこの勘所の一番良い音なんだな」というように徐々に分かってくるもんです。
「なあ、つぃるづぃる・なあ、たましだまし」
三線演奏の感覚の本質を捉えた良い言葉ですよね。
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