こんにちは。
三線教室の栗山です(*^^*)
楽器を始めると、その音楽を育んできた歴史や背景、楽器にまつわる逸話などを知りたくなりませんか。
歴史や背景を知ると、音楽への理解がより深まり、日々の練習がより充実することにつながります。
私自身も、いま自分自身が演奏している三線音楽についてもって知りたい、そんな思いで歴史や背景を学びました。
そのことでぐっと視野が広くなり、理解が深まり、豊かな音楽生活を送ることができるようになったと感じています。
では、どんな本から読んでいけばいいのでしょうか。
そこで今回は、読みやすく三線についての理解が深まる三線本を3冊ご紹介します。
「沖縄音楽入門」
まず1冊目は、こちら。
金城厚著「沖縄音楽入門」(音楽之友社、2006年)
文字通り沖縄音楽の入門書。とくに古典音楽、三線、島々の歌についての解説が中心です。
この本の良いところは、三線を弾き始めたらなんとなく気になること、知りたくなることを、しっかり網羅して説明してくれているところだと思います。
たとえば、
・三線のルーツってどんな楽器?いつ頃沖縄に伝わったの?
・三線はもともとどんな人がどんな場で弾いていたの?
・楽譜(工工四)にはどんな歴史があるの?
・安里屋ユンタの「ユンタ」ってなに?
・トゥバラーマってなに?
…などなど、沖縄音楽についての疑問が、わかりやすい文体で解説されています(Q&A形式でありませんが…)。
演奏をしていて気になることがあれば、「この本のどこかに書いてないかな?」と調べるのにも使えますよ。
また島々で歌い継がれてきた音楽と古典音楽に密接な関係があるなど、ジャンルに絞らず沖縄音楽を全体的に見渡すことで発見できることがたくさんあります。
広い視野で沖縄音楽に入門できる良書です。
【関連記事】
※三線(さんしん)の歴史とルーツを紹介│沖縄にいつごろ伝わった?
「三線のはなし」
続いて取り上げるのは、
宜保榮治郎著『三線のはなし』(ひるぎ社、1999年)
三線についてのエッセイ集です。
著者は文化財調査等の機会を通じて数多くの三線調査に携わったこられた方で、三線の名器に関する数々の逸話やエピソードが記述されています。
名器を求めた人々の三線をめぐる駆け引きの様子などもいきいきと描かれていて、三線に対する熱情や愛情が伝わってきます。
さて、三線を弾いている皆さんは、三線を選ぶときに何を重要視するでしょうか?
おそらく、音色や型、棹の形状美などを挙げると思います。
ですが本書を読むと「名器」といわれる三線の多くは、音の良しあしや、製作技術の高さだけでなく、その由緒・来歴が重視されていることがわかります。
著者は調査を重ねる中で、三線の価値の中でもっとも重要視されるのがこの由緒、伝来ではないかと考え一生懸命メモを取った、そう冒頭に記されています。
そんな三線の価値のありかたの一端を明らかにしたことが本書の最も大きな意義だと私は思います。
「三線の価値とは何か」を考えるきっかけにしたい本です。
【こちらもあわせてお読みください】
琉球古典音楽の思想
そして最後にご紹介したいのが、
勝連繁雄著『琉球古典音楽の思想~沖縄人の想いをめぐって~』(沖縄タイムス社、2007年)
です。
本書は、琉球古典音楽を通じて沖縄の人々の心の奥までを探るエッセイ集。
古典音楽の話が中心となるので、やや上級編です(古典音楽に触れている方には比較的理解しやすい内容です)。
本書には魅力的なエッセイがたくさん収録されていて、その中で繰り返し著者が述べている「琉楽」の思想を大切にする考え方が、私は好きです。
「琉楽」とは流派を超えて存在するより広い意味での三線音楽のことで、音楽であるとともに、そこには独自の思想や精神文化が宿っています。
ただ三線を弾いて歌って楽しむだけではなく、思想や精神性もあわせて味わい継承していこう。ここにはそんな筆者の思いが込められているように感じます。
三線に夢中になるとついつい音楽面のみに関心が行き、「上手く弾けているか」の一点だけに注意がいきがちですよね…。
ですが本書を読むと、
「三線を伝えてきた先人たちは、音楽とともにどんな『心』を継承してきたのだろう?」
「その『心』を理解して演奏できているかな?」
そんなことを考えさせられます。
三線を弾きながら読むことをおすすめしたい一冊です。
以上、今秋のブログでは三線初心者におすすめしたい三線本をご紹介しました。
ぜひご参考にしていただければ幸いです。
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