こんにちは、

三線教室の栗山です(*^^*)

今回のブログでは、三線上達の秘訣についてお話しします。

「基礎練習は大切」とよく言われますが、実は基礎練習だけでは上達しません。

かといって、曲ばかり練習していても本当の意味で上手くはならないんです。

一見矛盾しているようですが、これこそが三線上達の核心だと思っています。

今回は、先日の京都教室での出来事から、基礎と曲の練習がどのように相互に作用し合って上達につながるのか、実例を交えながらお伝えしたいと思います。

三線を始めたばかりの方も、すでに学習されている方も、きっと参考になる内容だと思いますので、ぜひ最後までお読みください。

つい先日…京都教室の体験・基礎クラスでのことです。

Aさんという女性の生徒さんが勘所（かんどころ・左手のポジション）を押さえた瞬間、思わず「押さえ方きれいですね！」と声をかけていました。

左手の指の形、弦の押さえ方、すべてがお手本のようだったんです。

Aさんはおよそ1年前から教室に通ってくださって、くりかえし体験・基礎クラスを受講されています。

その日のAさんの練習姿を見て、基礎を繰り返し学ぶことの大切さを改めて実感しました。

体験・基礎クラスでは演奏の基礎を学んだあと、「島人ぬ宝」に挑戦しています。

Aさんは、基礎で身につけたことを曲でちゃんと活かしていました。

クラスで繰り返し練習している左手のフォームが「島人ぬ宝」を弾く時に実践できていて、きれいな音で演奏できていました。

つまり基礎で覚えたことは、曲で使って初めて本当に身につくんですね。

当教室では、課題曲を学ぶ時に必ず基礎クラスで覚えたことに立ち戻るようにしています。

すると面白いことに、曲を練習することで基礎の大切さが逆によく分かってくるんです。

例えば、ある部分で音が上手く出ない時、弦の押さえ方やバチの下ろし方が基礎で学んだことから少しずれていることがほとんどです。

一緒に基礎に戻って確認してみると、基礎練習では正しくできていたことが、曲になると無意識に力が入りすぎていたり、手の位置が微妙にずれていたりします。

その見本とのずれを修正していくと、演奏がぐっと良くなっていきます。

曲が先生となって、基礎の重要性を教えてくれているような感じです。

生徒さんたちも「あ、基礎練習ってこのためだったんですね」と気づいてくれる瞬間があります。

よく「基礎ばかりでは飽きてしまう」という声を聞きます。

確かに同じことの繰り返しに見えるかもしれません。

でも、基礎で学ぶことは必ず曲で活かされます。

基礎を学ぶことと課題曲を演奏することは、どちらも欠かすことができません。

どちらか一方だけでは、本当の意味での上達は難しいのです。

基礎で学んだ技術を実際の曲で実践することで、その技術が血肉化されます。

そして、より難しい曲にもチャレンジできるようになっていきます。

これが「体に染み付く」ということだと思います。

基礎練習で覚えた動きが、曲での実践を通じて無意識でもできるようになり、そのことで上達をしていけるんですね。