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沖縄音楽の話 2019.04.19

三線の音色を豊かにする│先人が伝える三線演奏の心得

三線の音色を豊かにする│先人が伝える三線演奏の心得

はじめに

 

こんにちは。

 

三線教室の栗山です(*^^*)

 

先日のレッスンで、生徒さんの演奏を聴きながら、三線の音をもっとよくするためのアドバイスをしていたときのことです。

 

その際、私が日頃から大切にしている弾き方について次のようなお話をししたんですね。

それは、弦の特性や押さえる位置に応じて、弾き方や力加減を繊細に調整しているというものです。

 

この工夫は、私自身が師匠から受け継ぎ、長年の練習を重ねて習得してきたものですが、実はこれ古くから受け継がれてきたものなんです。

 

古い文献を紐解くと、かつての三線奏者たちも、同様の工夫をして演奏していたことがわかるんですね。

 

今回のブログでは、この三線の音を引き出す工夫について、さらに詳しくご紹介させていただきたいと思います。

 

琉球芸能に伝わる教え

 

琉球芸能家の金武良章さんが書かれた『御冠船夜話』(若夏社、1983年)という本があります。

 

 

首里言葉の優しい響きで琉球芸能の話が綴られた、私の大好きな一冊です。

 

※おすすめの三線本3冊をご紹介します

 

この本の中で、安冨祖流の大家として知られる著者の父・金武良仁さんが大切にされていた言葉が紹介されています。

 

「なあ、つぃるづぃる・なあ、たましだまし」

 

この言葉には、深い意味が込められているんです。

 

解説してみますね。

 

・なあ、つぃるづぃる → それぞれの弦

・なあ、たましだまし → それぞれの領分、持ち分

 

つまり、「三線の各弦や勘所には、それぞれ固有の個性があって、その特徴を理解して大切に演奏しましょう」という教えなんです。

 

三線の音には、厳しさ、優しさ、強さ、弱さ…など実にさまざまな表情があります。

 

こうした音が持つ性格に常に配慮して演奏すると、三線の音がぐっと豊かになるんですね。

 

感覚は師匠から学ぶ

 

もちろん、この感覚をつかむには時間がかかります。

 

私自身は、師匠から教わる曲を一つ一つ練習しながら、少しずつ感覚を身につけてきました。

 

師匠の演奏をじっくりと観察し、「この勘所はこう弾くのがいいのかな」「この弦はこの音が一番いい響きだな」と、学びを深めていったんです。

 

そうして学んだ一つ一つの気づきが、今の私の演奏の基礎となっているんですね。

 

おわりに

 

「なあ、つぃるづぃる・なあ、たましだまし」

 

この言葉には、三線演奏の本質が表現されている、と私は思っています。

 

三線を弾く時には、それぞれの音一つ一つの個性を大切にし、その特徴を活かして演奏することが大切なんです。

 

みなさんも、ぜひ三線の音それぞれが持つ表情に耳を傾けてみてくださいね。

 

このブログが皆さんの三線ライフのお役に立てたら嬉しいです(*^^*)

 

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