琉球古典音楽の「本歌」と「原歌」とは?意味の違いをわかりやすく解説

琉球古典音楽の歌詞のイメージ

こんにちは!

栗山新也沖縄三線教室の栗山です(*^^*)

琉球古典音楽を楽しむうえで歌詞の世界も魅力の一つです。

8・8・8・6音で構成される琉歌など、沖縄独自の文学表現は奥が深いですよね。

そんな歌詞の世界を深く学んでいくと、しばしば「本歌」と「原歌」という言葉を耳にします。

あまり聞きなれない言葉なので、その意味を知りたいという方も多いのではないでしょうか。

そこで今回のブログでは、琉球古典音楽の「原歌」と「本歌」の意味について解説します。

目次

琉球古典音楽の「本歌」と「原歌」の意味

以下では、本歌と原歌の意味について解説し、あわせて古典音楽の代表曲「かぎやで風」の本歌と原歌をご紹介します。

「本歌(ほんか)」の意味

本歌とは、ひとことでいえば、今日その曲に最もふさわしいとされる代表的な歌詞です。

琉球古典音楽では、一曲につき一つの歌詞という風に固定されているわけではなく、場や季節などに応じてその都度ふさわしい歌詞を用いたり、歌詞を変えることによって心の変化を表現したりすることが当たり前でした。

その中で少しずつ、この歌を歌うときにはこの歌詞が定番というように曲想と歌詞が結びついていったんです。

古典音楽を習うときには、まず本歌の歌詞で習うことが多いと思います。

かぎやで風節の場合、この歌詞が本歌として定着しています。

【かぎやで風節の本歌】

今日ぬ誇らしゃや

(きゆぬふくらしゃや)

何にぢゃなたてぃる

(なうにぢゃなたてぃる)

蕾でぃうる花ぬ

(つぃぶでぃうるはなぬ)

露ちゃたぐとぅ

(ちゆちゃたぐとぅ)

歌意:今日の嬉しさは、何にこそ喩えようか つぼんでいた花が、朝露を受けた時のようだ

「原歌(げんか)」の意味

原歌とは、節名(曲のタイトル)の由来に関係ある、もとの歌のことです。

さきほどお話ししたように、複数の歌詞が用いられる中で、その曲に最もふさわしい歌詞が定着していきますが、その曲に一番初めについていたと考えられる歌詞が原歌です。

「かぎやで風節」の由来は諸説ありますが、現在のところ、この歌詞が原歌だと言われています。

【かぎやで風節の原歌】

あた嘉報のつきやす

(あたがふぬつぃちゃし)

夢やちやうん見ぬ

(いみやちょんんだぬ)

嘉謝手報のつくへ 

(かじゃでぃふぬつぃくい)

混と附さ

(ふぃたとぅつぃちゃさ)

歌意:大きな果報を得たことは夢にも見ないことであった。鍛冶屋でいろいろ物を作ってきたが、そのおかげで思いがけぬ果報がついたものだ。

本歌以外の歌詞でも歌ってみよう

以上、琉球古典音楽の「本歌」と「原歌」の意味について解説しました。

その曲に一番初めについていたと考えられる原歌から、やがて様々な歌詞でうたわれるようになり、最もふさわしい歌詞として定着したのが本歌です。

このことからもわかるように、琉球古典音楽では、一曲につき一つの歌詞と定められているわけではなく、歌詞を変えて楽しむ文化がありました。

現在、琉球古典音楽を習っている皆さんは本歌で歌う機会がほとんどだと思います。

ですが独唱の機会などには、ぜひその時の心情や場にふさわしい歌詞で演奏してみてはいかがでしょうか。

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